湊かなえ『母性』結末ネタバレ:歪んだ母親と、正気な娘の悲劇の真相
結末や犯人など, 強烈なネタバレが含まれています。何も知らない状態で本を読みたい方は, 戻るボタンを押してください。 好きだった湊かなえの本を、本当に久しぶりに読みました。 韓国の小説の内容は身近で現実リアルに迫って来るので、読むのが辛い時が多く、あまり手に取らない方です。一方で、日本の小説は「近くてどこか遠い」ような、独特の距離感があります。 私が外国人だからこそ、自然とそういう距離感を感じるのかもしれません。そのような理由から、韓国の小説よりもずっと気楽に読んできました。 しかしそれさえも心がしんどくなる時期があり、ここ数年は、遥か遠い異世界の出来事のように感じられるジョー・ネスボの「ハリー・ホーレ・シリーズ」のような小説に没頭していました。 以前よく読んだ湊かなえの、比較的最近の小説『母性』を読ませていただきました。たまたま寄った図書館で新刊コーナーに入っているのを見つけた瞬間、嬉しくてすぐに手に取りました。 物語は、多世帯住宅から17才の女子高生が転落する事件の通報が警察に届くところから始まります。母親のルミコの告白と娘のサヤカの独白が交互に描かれながら、物語が進んでいきます。 図書館で借りた『母性』 あまりにも違う環境で育った二人の男女の結婚 母親のルミコは、愛されて褒められながら育ちました。大学の時に亡くなった父親は、母親に「あなたに出会えて幸せだった、ありがとう」という言葉を残して旅立ちました。 一方で、父親のタドコロは1歳の時から父親に殴られており、大きくなってからも靴下や味噌汁、歩き方など、ただのすべてのことが理由になって殴られていました。 肝心のタドコロの父親は、戦争の中で兄たちがみんな亡くなったことで、ありとあらゆる愛を独占して育った人物です。 二人は偶然、市民文化センターの絵画教室で出会って結婚しました。しかし、母親のルミコは、実は自分の母親(祖母)がタドコロを気に入っているようだったから結婚を決意したのです。 それぞれの結末と衝撃的な事件の真実 ルミコとサヤカをあれほど苦しめたタドコロの母親(姑)は、結局認知症になってしまいます。自分の娘たちのことは分からなくなっても、他人からの質問にはルミコを「娘だ」と言い、名前も覚えています。 他の人は見向きもしないのに、孫のサヤカの プレゼントだけは嬉しそうに受け取ります。これによってルミコの...